桑水社：屋台
初代桑水社の屋台は江戸時代末期に造られているが、製作年は不明。２代目は明治２６年に造られ大正１５年、睦栄社に売却された。その屋台は現在も菊川で活躍中である。そして３代目が現在の屋台であり、大正１３年に建造されている。造ったのは、下宿の松浦清太郎他７人の工匠、車輪は鈴木喜平、漆塗りは袋井町久津部の男だが氏名は不詳。彫りは上山梨の彫刻師・宮本丹次。職人気質で一刻で、気が向かないと仕事をしないが、いったんやり始めると寝るのも忘れて熱中するという。こんな男だから自然と作品が少ない。宮本丹次６３年の生涯で、彫った屋台はたったの２台。そのうちの１台が桑水社というから価値がある。
先ずは正面欄間に鳳凰、右の御簾脇には亀乗り仙人、左の御簾脇には鯉乗り仙人、そして左右の欄間と後欄間には、ぐるりと桃太郎の絵物語が彫られている。たったこれだけしかないが、その黒光りした彫りには宮本丹次の心と、桑水社の伝統が刻み込まれている。 最後に下宿の名物といえば倉島のこんにゃくに栄正室の梅衣、それに長坂支店のラーメンである。「長坂のラーメン喰わなきゃ祭りは始まらねえ」とはよく聞く。・・・（かなり余談）
なお、桑水社の屋台の彫りは、平成１１年の改装の際に、正面の亀乗り仙人・鯉乗り仙人・鳳凰が新たに作成され、支輪の彫りと木鼻が追加されている。
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町の歴史
桑水社の屋台
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